大峯奥駈道(太尾登山口~釈迦ヶ岳・孔雀岳・仏生嶽~楊枝ヶ宿小屋:往復)逆峯その七

日程

2024年4月20日(土) [日帰り]

アクセス

十津川村太尾登山口の駐車場に駐車。登山口付近には10台ほど停められる。満車の場合は順に下の駐車スペースに停めることになる。きれいなトイレがある

山行メモ

大峯奥駈道を日帰りで歩くシリーズの七回目。
今回は楊枝ヶ宿小屋から釈迦ヶ岳までの行程ですが、アプローチがないので釈迦ヶ岳から楊枝ヶ宿小屋を往復するコースで行ってきました。

釈迦ヶ岳には以前太尾登山口から登ったことがあるので、勝手は分かっているのですが、その先は未知の領域です。色々な山行記録を読むと釈迦ヶ岳の北側は、鎖場を含む難路とのことだったので慎重に降りました。釈迦ヶ岳を降ってからもしばらくは両側が切れ落ちた細い岩稜が続き、気が抜けない区間になっていました。

孔雀岳、仏生嶽は大峰奥駈道からは外れるのですが、何度も来られるような所ではないので、心残りとならないように寄り道して両方登ってきました。仏生嶽から楊枝ヶ宿小屋までは高低差200mほどの降りになっているので、ここまでで既に疲れていることもあり結構ハード。普通は仏生嶽から引き返して、こんな行程はとらないと思いますが、全行程行ってみるのが目標なので、あえて降ってきました。

今回、釈迦ヶ岳から楊枝ヶ宿小屋まで往復することで、はからずも順峯(熊野から吉野)、逆峯(吉野から熊野)の両方体験する形になりました。釈迦ヶ岳から北に向かう(順峯)では左手に七面山南面の巨大な岩壁を眺めながら歩くことになり、仏生嶽から南に向かう(逆峯)は大きく急峻な釈迦ヶ岳に向かって歩きますが、どちらもある種の神々しさを感じます。靡として祈りの場になったのが少し理解できたような気がしました。

下の写真で見て頂きたいのですが、釈迦ヶ岳の北側に「両部分け」という岩稜の裂け目があります。ここで金剛界(大峰奥駈の北側)、胎蔵界(大峰奥駈の南側)が分かれているからそう呼ばれているそうです(境界は宗派によって若干違いがあるようです)。私のこのシリーズも今回で前半戦の北側が終わりましたので、次からは南奥駈道に取り掛かるつもりですが、日帰りで行くには、いよいよアプローチが難しくなってくるのではないかと思います

十津川村太尾登山口の駐車場とトイレです。
ここに停められない場合は、少し降ると路肩に駐車スペースがあります

太尾登山口の登り口です

不動小屋谷登山口からの登山道との分岐点。
このように道標がたくさん設置されていて、釈迦ヶ岳までは迷うことはなさそうです

釈迦ヶ岳までの登山道の様子。
このへんは歩いていて本当に気持ちの良いところです

釈迦ヶ岳、大日岳が望める古田の森

釈迦ヶ岳直下の「千丈平」です。
朝一番、水場に来ていた数頭のシカに出会いました

千丈平の先にある水場(かくし水)です。
この日は結構な水量がありました

釈迦ヶ岳のピークアタック前に行動食を食べて一休み。
今回は羊羹を持参

釈迦ヶ岳山頂です。
お釈迦様に会うのも久しぶりで神々しく見えます

釈迦ヶ岳山頂から、これから行く孔雀岳、仏生嶽方面の眺め

いつも金剛山の展望台から大峯方面を眺めているので、今回は釈迦ヶ岳山頂から金剛山を望む
(右腕の下あたりが金剛山)

釈迦ヶ岳北側の鎖場その一

鎖場その二

鎖場の下の景色。
谷が一気に落ち込んでいます

釈迦ヶ岳直下の岩塊を振り返ったところ。
奥駈道はこの岩の左下を通っています

第四十一靡「空鉢岳(くうはちだけ)」から見る釈迦ヶ岳

空鉢岳の先にある「椽の鼻(えんのはな)」はテラス状の岩盤地で、蔵王権現が祀られています

「両部分け」です。
看板は判然としませんが、かろうじて”両”の文字が読めます

先ほどの看板の先です。
岩稜が一気に切れ落ちています

両部分けを越えて孔雀岳に向かう道。
このへんからは少し安心できる道になっていました

奥駈道と孔雀岳の分岐。
孔雀岳までは踏み跡が薄いですが、高いところを目指して進みました

分岐のすぐ先にある「孔雀ノ覗」。
この向こうは絶景でした

孔雀岳山頂

仏生嶽への分岐。
分岐付近の道は踏み跡しっかりしていましたが、その先は不明瞭で、やっぱり高いところを目指して登りました

仏生嶽山頂

仏生嶽から楊枝ヶ宿小屋に向かう途中で見る七面山。
双耳峰と南面の巨大な壁面が特徴的です

やっと前回やってきた「楊枝ヶ宿小屋」までたどり着きました

楊枝ヶ宿小屋です。
一応中に入って、すぐに来た道を引き返しました

今回の行程で、お花はほとんど見かけませんでした。
唯一撮影できたのはコレだけ…ヒメイチゲでしょうか

この日、釈迦ヶ岳から楊枝ヶ宿小屋までの間でお会いした登山者は4人だけでした。
写真の二人組は外国籍の方で昨夜、金峯山寺を出発して夜通し走ってきたそうです。2日で熊野本宮大社まで駆け抜けるとおっしゃっておられました。日本語はペラペラでトランスジャパンアルプスレース(TJAR)にエントリーして外国人として初めて出場したいと考えているとのことでした。陰ながらエールをお送りしたいと思います

帰路、孔雀岳を過ぎて釈迦ヶ岳を望む。
急峻で威厳のある山容が近づいてくるのが大峰奥駈のクライマックスを思わせます

朝は誰もいませんでしたが、釈迦ヶ岳山頂まで戻ってくると、大勢の登山者であふれかえっていました。
我々はさっと山頂を通過して帰路につきました。あとは、なだらかに降っていくだけなので、開放的な気分になるのですが、さすがに足の疲労は相当なものでした

今回の軌跡