高野参詣道(紀伊清水~極楽橋)黒河道・京大坂道

日程

2022年02月20日(日) [日帰り]

アクセス

行きは南海高野線「紀伊清水駅」で下車、帰りは「極楽橋駅」で乗車

山行メモ

高野参詣道では町石道が有名だが、ちょうど昨年の今頃行ったことがあるので今回は、2016年に世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に追加登録された「黒河道(くろこみち)」を登る。

南海高野線「紀伊清水駅」から紀の川を遡って、川に架かる橋を左手に見えるところを右折して黒河道の入口に向かう。
途中幟がたくさん立っていて、橋本市の「黒河道」推しが伝わってくる。

黒河道には番号の付いた道標が一定間隔(500m)で立てられている。緊急連絡時に通報者の場所を特定するための道標だと思うがこのあたりは、さすがに世界遺産だと思う。

スタート地点の定福寺を過ぎると、いきなりの急坂で山道と舗装道路を交互に登っていく感じ。
坂の途中では紀の川や金剛山、岩湧山を一望でき、とても景色が良い。

道は峠まで登りきると丹生川に向けて降りとなる。
ここの降りは小さな渓流沿いで、とても気持ちの良いトレールになっている。夏に来たことがある友人の話では下草が多くて藪状になっていて難儀したそうなので、寒い時期に訪れた方が良いかもしれない。

丹生川で「市平橋」を渡り舗装路を再度登り返すことになるが、ここからしばらく急登が続く。
舗装路から民家の畑を獣除けのゲートをくぐって、少し登ると「春日神社の桂の木」がある。ここの石段はとても趣がある。

桂の木から峠に向かって登ると林道と合流する。ここから旧久保小学校に向けて降ってゆくが途中に真っ黒な池があって面白い。この池、水はきれいだが何故か真っ黒。
旧久保小学校は現在「くどやま森の童話館」という施設になっているようだが、この日は開いていなかった。小学校の外にもトイレがあって、施設が閉まっていても利用できた。

黒河村跡や黒河峠のある、本来の黒河道は久保小学校から左を登るようだが、倒木多数で通行止めの看板があって子継(粉撞)峠経由で高野山に行くようにとのことなので、そちらを登る。

久保小学校から子継峠までも、なかなか登りごたえがある。この日はさらに雪が結構あって、足をとられる。子継峠にはお地蔵様がある。このお地蔵様(孚証地蔵)が決め手となって、単なる生活物資を運ぶ道としてだけではなく高野参詣道(高野七口)の一つとして使われていたことが証明され、世界遺産の認定へとつながったそうだ。
黒河道の道標はこの子継峠の26番で終わっている。

子継峠からは沢沿いをゆるやかに降っていけば、舗装路に出る。
ここから高野山の町中に入って昼食。

帰路は女人堂から京大坂道不動坂をくだって、南海極楽橋駅へ。
女人堂で清不動堂までの不動坂を探したが、雪が深いこともあって見当たらず、舗装路を降る。
清不動堂からは当初目指していた参詣道(不動坂)を降る。最後の方はいろは坂といって、つづら折りの急降の道になっている。いろは坂を降りきると最後は舗装路に合流してケーブルカーのトンネル、極楽橋駅に至る。

極楽橋駅に着いた時はちょうど各停が出るところで間に合わず。次の電車まで40分近く待つことに。
あまりに寒いので、停車していた天空の中を見学させて頂いたりしながら時間をつぶして次の電車を待って帰路についた。

町石道と比べると黒河道は距離は短いが急峻で登山に近いと感じた。
今回は、季節にもよるのかもしれないが他の登山者には一人も出会わなかった。黒河道は静かで趣深い参詣道といえるかもしれない。

南海高野線「紀伊清水駅」。
橋本駅からは一駅目

黒河道の道標。500mおきに立っている。
ここから26番まで登る

道標1番のすぐ上にある定福寺

右かうや山(こうや山)

橋本市方面の眺望。
この日は登り始めは、あまり天気がよくなかった。

五軒畑岩掛観音。
ここの広場にベンチあって眺望がすばらしい。

峠まで登りきると一軒民家があって、三叉路になっている。左手の舗装路を降るとポンプ小屋があって、そこから先がこの渓流(わらん谷)沿いの道。

このあたりはアドベンチャー感もあって楽しい

わらん谷の滝。
ここから丹生川まではすぐ

丹生川にかかる市平橋。
かつてはこの上流に吊り橋があったそうだが、現在は消失しており市平橋を渡って対岸へ向かう

市平橋から舗装路を上がって、民家横の獣除けのゲートをくぐって上に上がると春日神社の桂の木がある。なんとも荘厳な雰囲気

市平橋と久保小学校のちょうど真ん中あたりの峠。
林道と交差している。ベンチもあって小休止できる(クマはちょっと気になる…)。

久保小学校の手前にある黒い池。なぜここまで黒いのか…

旧久保小学校。
現在は「くどやま森の童話館」になっている。
本来の黒河道ではないが、ここから右手の子継峠方面へ登る

子継峠。
このあたりまで来ると結構な雪でシューズが半分くらい埋もれる感じ。結構足がとられる

子継峠のお地蔵様

高野山真言宗総本山「金剛峯寺」

かつて高野七口にあった女人堂。
現存するのはここ不動口女人堂のみ

不動坂を降りきったところ。
この上は「いろは坂」で、すごいつづら折れ。
ここから極楽橋駅まで舗装路を降る

今回のゴール南海高野線「極楽橋駅」。
ケーブルカーに乗り継ぎする方がほとんどで、ここから乗車する客はあまり居ないのか、職員通路のような入口(ちゃんとICカードで入れました)。

今回の軌跡